クラウド費用の無駄|使っていないサービスに1週間で35,964円払っていた話

2026年7月、私たちは使っていないはずのデータベースサービスに35,964円を払っていました。

気づいたのは1か月後です。銀行の引き落としメールを見て、はじめて分かりました。

書いているのは、広島でBtoBの営業支援とAI活用支援をしている会社です。営業ツールも社内の管理ツールも自分たちで作り、クラウドの上で毎日動かしています。

この記事は、そのクラウド費用で私たちが払ってしまった5つの無駄の記録です。合計の金額と、原因と、直した結果をそのまま書きます。

書く理由は1つです。どれも「使っていないのにかかっていた」お金だからです。


この記事の結論

クラウドやAIの費用は「使った分だけ」ではありません。「使っていなくても」かかります。

そして、もう1つ重い事実があります。社内の管理画面が¥0と表示していても、実際には請求が発生していることがあります。私たちは、まさにそれを見逃しました。

私たちが2026年7月から8月にかけて見つけた無駄は、次の5件です。

# 何が起きたか 金額(実測)
1 使っていないデータベースサービスへの課金 1週間で35,964円
2 1件も処理していないサーバー2本の常時起動 月 約37,000円ペース
3 AIの「画面に出ない出力」への課金 月 約1.5万円
4 同じ議事録を2時間ごとに分類し直していた処理 月 $29.30
5 費用を下げる作業で本番を壊し、失敗が課金された 約$23

順に書きます。すべて自社の請求書と社内ログから読み取った実測値です。


使っていないサービスに、なぜ1週間で35,964円もかかったのですか

仕事がゼロでも、機械が数百ミリ秒ごとに問い合わせ続ける仕組みだったからです。回数がそのまま料金になりました。

2026年7月、あるデータベースサービスの請求が1.1億コマンド=35,964円($216.84)になっていました。

私たちがそれを知ったのは、1か月後の銀行の引き落としメールです。使っていないつもりのサービスでした。

原因は3つあります。1つのミスではありません。

第1に、載せていた仕組みが「ポーリング型」でした。 ポーリング型とは、仕事があるかどうかを自分から何度も聞きに行く作りのことです。この仕組みは、仕事がゼロでも数百ミリ秒ごとに問い合わせます。

そのサービスは問い合わせの回数で課金されます。つまり、仕事量と請求額が無関係でした。何も処理していない時間も、料金が積み上がります。

第2に、上限金額を設定していませんでした。 契約するとき、上限を後回しにしていました。上限がなければ、間違いは止まりません。

第3に、移行したあとの請求を誰も確認しませんでした。 私たちは7月7日に、別の仕組みへ移行しています。移行そのものは終わっていました。それでも旧サービスは生きたままで、料金は流れ続けていました。

自社の管理画面には、ずっと¥0と表示されていました

この件でいちばん怖いのは、金額ではありません。「見えていた画面が嘘だった」ことです。

私たちは、契約している課金サービスを一覧できる管理ツールを自分たちで作っています。このサービスも、そこに登録済みでした。

ところが、使用量をその管理ツールへ送る配線が入っていませんでした。

結果、画面上の表示はずっと¥0でした。登録されているのに、金額が出ない。だから誰も異常に気づけませんでした。

「監視ツールに登録した」ことと、「監視できている」ことは別物です。私たちはここを取り違えていました。

直した結果、翌月は

直した結果、翌月は$0になりました

になりました

上限金額を、そのサービスで設定できる最低額($20)にしました。

翌月の実測は247コマンド=$0です。1.1億から247になりました。使っていなかったことが、これで証明されました。


1件も処理していないサーバーに、月3万7千円かかることはありますか

あります。私たちは実際に、リクエスト0件のサーバー2本へ月約37,000円のペースで払っていました。

営業ツールの送信処理を動かすサーバーを、2本立てていました。設定は「常時起動」です。

このとき、実際のリクエストは0件でした。誰も使っていません。それでも合計で約37,000円/月のペースで課金されていました。4日間で5,000円です。

設定を見直した結果は約1,000〜2,000円/月になりました。約35,000円の削減です。

スケジューラは「成功」と返すのに、実際には止まっていませんでした

この件には、金額より重い落とし穴がありました。自動でオン・オフする設定が、成功と返しながら効いていませんでした。

私たちは、夜間や週末にサーバーを止める仕組みを入れていました。実行結果は毎回「成功」です。

ところが、実際には止まっていませんでした。設定する項目を間違えていたため、指示がどこにも届いていなかったのです。それでも結果は成功と返ります。

さらに、社内で「週末は止まっている」と報告していました。これも誤りでした。実測すると、金曜から月曜まで全時間動いていました。週末まるごと課金が流れていたことになります。

教訓: スケジューラが「成功」を返しただけで判断せず、実際に止まったかを実測する

私たちはこの一文を、社内の恒久ルールに加えました。「実行した」と「効いた」は別だからです。


AIの料金は、画面に出ない部分にもかかりますか

かかります。あるAIサービスでは、画面に出てこない「思考」の部分にも料金が発生していました。

AIが答えを作るとき、表に出す文章とは別に、内部で考えを組み立てる部分があります。この部分にも出力ぶんの料金がかかります。

私たちのアプリは、どれもその部分を記録していませんでした。

結果、思考にかかった約6,960円が、社内のどのダッシュボードにも表示されていませんでした。使っているのに、見えていない。

請求書と社内記録を突き合わせて、差分の正体を特定しました

証拠の取り方はこうです。請求書の数字と、社内の記録合計を並べました。

請求書に載っていた「思考以外の出力」は676万トークンでした。

一方、社内で記録していた合計は661万トークンです。

この2つは、ほぼ一致しました。つまり、社内の記録は間違っていませんでした。記録していなかった部分=思考ぶんが、そのまま差分だったわけです。

原因は、コードの前提でした。「無料枠だから料金は0円」という考えでコードが書かれていました。その前提が、全部間違っていました。

いちばん料金を食っていた処理は、13日間で3,931回動いていました。1回あたり約570トークンを、記録もされないまま捨てていた計算になります。

この件を直した効果は、月1.5万円前後の削減です。


同じ処理を何度も繰り返していることに、どうすれば気づけますか

回数で見てください。私たちは同じ会議を2時間ごとに分類し直し、月$29.30を払っていました。

社内には、会議の議事録をAIで分類する処理があります。この処理に、「もう分類した」という印が入っていませんでした。

そのため、判定できない会議を、2時間ごとに何度も分類し直していました。永久に終わりません。

2026年7月の分類だけで、6,365回・2,290万トークン・$29.30です。これは、そのアプリのAI費用の88%を占めていました。

金額そのものは大きくありません。問題は中身です。費用の9割近くが、同じ仕事のやり直しでした。

金額だけを見ていると、この異常は見つかりません。「月$33くらいだな」で終わります。回数(6,365回)を見て、はじめておかしいと分かりました。

つまり、コストは「見える」だけでは足りません。「異常な伸びに気づく」ところまで作って、はじめて意味を持ちます。


費用を下げる作業で、逆にお金が飛ぶことはありますか

あります。私たちは費用削減の作業で本番を壊し、その失敗ぶんでさらに約$23を飛ばしました。

2026年8月15日のことです。費用を下げるために、使っていたツールを新しいバージョンへ切り替えました。

すると、記事の調査が全部0件になりました。そのまま生成が連続で失敗します。

この処理は、失敗しても課金されます。1回の失敗で、検索40回ぶんとAIのトークンが無駄になりました。結果、自動チャージが2回発生しています。$11.83と$11.37です。

原因はテストのやり方でした。「軽いテストで動いたから大丈夫」と判断していました。

しかし本番は、テストよりずっと大きな処理でした。出力の量が多く、途中で切れていたのです。軽いテストでは、その切れ方が起きません。

この件から、私たちは3つを社内ルールにしました。原文のまま載せます。

  1. 1回の軽いテストは、本番の証明にならない。本番と同じ処理を、実際の内容で叩いて確かめるまで入れない
  2. 失敗するとお金がかかる処理は、失敗のコストを先に見積もる(この処理は1回$10だった)
  3. 効果が確認できていない改善は、壊れた時点ですぐ元に戻す(直そうと粘らない)

3つ目が、いちばん実行しにくいところです。壊れたときほど「あと少しで直る」と思ってしまいます。私たちはそこで粘って、$23を追加で失いました。


明日から何をすれば、同じ無駄を防げますか

「契約と同時に上限をかける」ことと、「止めたつもりを数字で確かめる」ことの2つです。

5件の事故を並べて、私たちが恒久ルールにしたのは次の4つです。どれも素材が特別に必要なものではありません。

第1に、契約と同時に上限金額を設定します。 後回しにしません。事故1では、上限が無いまま1.1億回ぶんが積み上がりました。上限を最低額に入れた翌月は$0です。上限は、間違いを止める唯一の壁です。

第2に、移行が終わっても、旧サービスの翌月の請求を実測で確認します。 移行の完了で作業を閉じません。私たちは7月7日に移行しましたが、旧サービスの請求は流れ続けていました。「使っていないから安いはず」は推測です。コンソールの実数を見るまで、そう言わないと決めました。

第3に、月に1回、契約している課金サービスを棚卸しします。 銀行の明細と、各サービスの管理画面を並べて突き合わせます。見るのは3点です。「意図しない課金がないか」「上限が未設定のものがないか」「使っていないのに生きている契約がないか」。

第4に、「止めたつもり」を実際の数字で確認します。 事故2では、スケジューラが成功と返しながら、まったく効いていませんでした。成功の表示は、止まった証拠にはなりません。確認するのは、実際の稼働数と請求額です。

一方で、正直に書いておきます。この4つを全部やっても、無駄がゼロになるとは言えません。

事故3の「見えない出力への課金」は、上限でも棚卸しでも見つかりませんでした。見つかったのは、請求書と社内記録を1トークン単位で突き合わせたときです。

だから私たちは、金額だけでなく回数を見ることを足しました。事故4の異常は、金額では見つからず、回数(6,365回)で見つかったからです。


よくある質問

小さい会社でも、こういう無駄は起きますか

起きます。むしろ、社内に専任の担当がいない会社ほど起きやすいと考えられます。

私たちの5件は、どれも「誰かが見ていれば気づけた」ものです。逆に言えば、見る人が決まっていないと、1か月は簡単に過ぎます。私たちは、銀行の引き落としメールで気づきました。

なぜ管理画面が¥0だったのに請求が発生したのですか

登録はされていましたが、使用量を送る配線が入っていなかったからです。

画面の¥0は「料金が0円だった」ではなく、「データが1件も届いていない」という意味でした。この2つは、画面上ではまったく同じに見えます。私たちは1か月それに気づきませんでした。

上限金額を設定できないサービスはどうすればいいですか

私たちは、その場合は使用量の見える化と通知をセットで入れています。

上限がかけられず、通知も出せないサービスは、本番に通さないというルールにしました。事故1のあとに決めたことです。

サービス名を書かないのはなぜですか

特定のサービスに問題があった話ではないからです。

5件とも、原因は私たちの使い方と確認の抜けにあります。ポーリング型を回数課金のサービスに載せたのも、上限を設定しなかったのも、こちら側の判断です。


クラウドの費用は、使った分ではなく「放置した分」で膨らむ

5件を並べて分かったのは、どれも「動かしていた」のではなく「放置していた」ことで発生したという点です。

使っていないデータベース。リクエスト0件のサーバー。記録していなかったAIの出力。印を付け忘れた分類処理。効果を確かめないまま入れた変更。

5件すべてに共通するのは、金額そのものではなく、気づくまでの時間でした。いちばん長いもので1か月です。

私たちはこの1か月を、上限設定と月1回の棚卸しと実測での確認で埋めることにしました。完璧ではありません。それでも、同じ経路では気づけるようになりました。

私たちは広島で、BtoBの営業支援とAI活用支援をしています。社内で使うAIやクラウドの費用を、誰が・何に・いくら使ったかまで見える形にするのは、自社のツールでもやっていることです。

「AIを入れたいが、いくらかかるか読めない」「気づいたら請求が増えていた」という段階であれば、一度ご相談ください。契約しているサービスを一緒に棚卸しして、止められるものを探します。


この記事を書いた人
丸山 祐介/株式会社hoshimi 代表
広島でBtoBの営業支援(LinkedIn運用代行・フォーム営業・アポ獲得代行)をしています。前職のマーケティング会社ではCOOとして、営業利益を1年で5,000万円から2億円にしました。
自社ツールを内製して毎日運用しており、この記事の数字はすべてその実データです。

この記事の作り方
下書きはAIが書き、数字と事実は人が元データに当たって確認しています。確認が取れなかった数字は載せていません。


広島から、実測データごと営業支援をしています

この記事の数字は、株式会社hoshimi(広島市中区)が自社の本番運用で実測したものです。同じ仕組み・同じ実測レポートつきで、貴社の営業も運用します。

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