「営業リストって、何件くらい必要ですか」
商談でよく聞かれます。ただ、私たちが実際に3万件のリストを作って運用してみて分かったのは、件数を増やすことと、送れる相手が増えることは別だということでした。
広島でBtoBの営業支援をしている会社が書いています。営業リストを集めるツールを自分たちで作り、毎日回しています。2026年8月22日時点で、手元のリードは31,219件あります。
この記事では、そのリストの中身を全部出します。どうやって集めたのかという作り方に加えて、「集めたうち、実際に連絡できるのは何件だったのか」という数字までです。
結論:3万件のうち、連絡先が1つも取れなかったのは27.2%でした
いちばん引っかかったところから書きます。
31,219件のリードのうち、メールアドレスも問い合わせフォームURLも取れなかったものが8,492件(27.2%)あります。
| 項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| リード総数 | 31,219 | 100% |
| メールアドレスが取れた | 11,743 | 37.6% |
| 問い合わせフォームURLが取れた | 21,423 | 68.6% |
| どちらも取れなかった | 8,492 | 27.2% |
注意点を1つ書いておきます。 メールアドレスとフォームURLは、両方が取れているリードがいます。重複があるため、37.6%と68.6%を足すと100%を超えます。この2つは足し算できません。
重複を除いて「どちらか1つでも連絡先がある」件数を数えると、22,727件(72.8%)になります。
調査の条件
対象: 自社ツール(sales-automation)に登録されているリード全件/件数: 31,219件/集計日: 2026年8月22日/出典: 自社ツールの本番データベース(hoshimi調べ)
「取れた」の定義: 収集した時点で、そのリードのレコードにメールアドレスまたは問い合わせフォームURLが記録されていること
営業リストはどうやって作っているのか
31,219件のうち30,551件(97.9%)は自社ツールでの自動収集です。買ってきたリストは660件でした。
内訳はこうなっています。
| 作り方 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| スクレイピング(自社ツールで自動収集) | 30,551 | 97.9% |
| CSVインポート(購入リスト・手持ちリスト) | 660 | 2.1% |
| 手入力 | 8 | 0.0% |
| 合計 | 31,219 | 100% |
手入力は8件だけです。3万件を人が打ち込むのは現実的ではありません。
ここで正直に書いておきたいことがあります。この97.9%という比率は、収集ツールを自分たちで持っている会社の数字です。 購入リストを中心に使っている会社とは、前提がまったく違います。同じ割合になるとは考えないでください。
つまり「営業リストの作り方」は、自動収集を自前で持てるかどうかで二手に分かれます。持てるなら件数は増やせます。持てないなら、買うか、手で作るかになります。
集めたリストのうち、実際に連絡できるのは何件か
メールは37.6%、フォームURLは68.6%で取れました。どちらも取れないリードが27.2%あります。
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
営業リストの話は、たいてい「何件集めたか」で語られます。3万件、5万件、10万件。数字が大きいほど良さそうに見えます。
しかし、集めただけでは1通も送れません。 送るには、メールアドレスか、問い合わせフォームのURLか、どちらかが必要です。
私たちの手元では、その「どちらか」が1つも無いリードが8,492件ありました。会社名も業種も分かっているのに、連絡する手段が無い状態です。
特に印象的だったのは、メールアドレスの取得率が37.6%しかなかったことです。 会社のウェブサイトに代表メールアドレスを載せていない会社が、思っていたよりずっと多いのです。問い合わせは全部フォームで受ける、という会社が増えているのだと考えられます。
一方で、フォームURLは68.6%まで取れています。メールが取れないリードでも、フォームなら届く可能性があるということです。この2つは互いを補い合っています。
なぜ「集めた件数」でリストを評価してはいけないのか
3万件のリストでも、実際に送れるのは一部です。件数は工数にも成果にも直結しません。
仮に「3万件のリストがあります」と言われたとします。私たちの実測をそのまま当てはめると、こうなります。
- メールで送れるのは、およそ3万件の37.6%
- フォームで送れるのは、およそ68.6%
- 連絡手段が1つも無いのが、およそ27.2%
3万件という数字が、そのまま3万回のアプローチにはなりません。
さらに、フォームURLが取れていても、そこから実際に送信が完了するとは限りません。1本目の記事で出した実測では、フォームへの送信を19,075件試みて、送信完了を確認できたのは1,147件(6.0%)でした。
関連記事: フォーム営業の返信率は何%か|19,075件の送信データを公開します の記事
つまり、リストの件数から実際に届く件数までの間に、2段階の目減りがあります。第1に、連絡先が取れるかどうか。第2に、その連絡先で本当に送信できるかどうか。
以上の結果から、リストの評価軸は「集めた件数」ではなく「連絡先が取れた件数」に置くべきだと結論付けられます。
メールもフォームもLinkedInも、止まる原因はどこにあるのか
フォーム営業とLinkedInでは、止まった原因の上位はリスト側にありました。メール営業だけは事情が違います。
私たちは、フォーム営業・メール営業・LinkedInの3つを並行して回しています。それぞれで「うまくいかなかった理由」を集計しました。共通点と、違いの両方が出ました。
第1に、フォーム営業です。 止まった理由(全13種類のうち上位のもの)の1位は「メッセージの入力欄が見つからない」で4,351件でした。※この4,351件は「送信できなかった3,512件」と「送信したが完了を断定できなかった13,666件」の両方から集計した数字です。相手に断られたのではなく、フォームまでたどり着けていないという理由です。加えて、「フォームURLだと思っていたものが、実は記事や採用ページだった」というケースが241件ありました。これは完全にリスト側の問題です。
第2に、LinkedInです。 別のツール(apo-tori-tai)で2026年6月29日から7月29日までに接続申請を3,864件試み、923件が送れませんでした。その内訳を見ると、885件(95.9%)が「すでに接続済み・申請済み」か「相手を特定できない」でした。送信の仕組みの問題ではなく、リストが古いか、人物を一意に特定できていないという問題です。
第3に、メール営業です。ここだけは違いました。 失敗の95.4%が送信箱側の認証エラーで、リストの問題ではありませんでした。メール営業がうまくいかないときは、まず送信の土台を疑うべきです。
ただしメールにも、リスト側の壁はあります。メールアドレスが取れているのは37.6%なので、残りには最初から1通も送れません。
フォームとLinkedInは、止まる場所が同じでした。 どちらも文面を書き直しても1件も改善しません。メールだけは、送信の土台の問題です。
関連記事: 営業メールが届かない|バウンス率4.59%と送信箱5つを止めた話
数字の出どころが2つに分かれています
フォームとメールの数字は sales-automation(リード31,219件)、LinkedInの数字は apo-tori-tai(接続申請3,864件・2026年6月29日〜7月29日)のものです。別のツール・別の期間・別の母集団なので、率どうしを直接比べないでください。
営業リストの質は、どこを見て判断すればいいか
件数ではなく「連絡先が取れた件数」で見ます。フォームURLが本物かを確認する工程も入れます。
ここからは、実測データから言えることだけを書きます。推測でノウハウを増やすことはしません。
第1に、リストを受け取ったら、まず連絡先の充足率を数えることです。 メールアドレスが入っている行が何件か。フォームURLが入っている行が何件か。両方とも空の行が何件か。 この3つを数えるだけで、そのリストで何回アプローチできるかが見えます。私たちの手元では、その「両方とも空」が27.2%でした。
第2に、フォームURLが本物かを確認する工程を入れることです。 私たちの実測では、フォームURLとして記録されていたのに、開いてみたら記事ページや採用ページだったものが241件ありました。URLが埋まっているからといって、送れるとは限りません。リストを買うときも、作るときも、ここを1回通すと無駄が減ります。
第3に、連絡先が取れなかった分を、消さずに残すことです。 27.2%という数字は「収集した時点では取れなかった」という意味であって、「この会社には永久に連絡できない」という意味ではありません。後から人が調べれば取れる可能性があります。 私たちは、この8,492件を消さずに残しています。
第4に、業種によって取得率が変わる前提を持つことです。 今回の31,219件は、私たちが集めた業種の構成に依存しています。あなたの狙う業種で同じ割合になるとは限りません。 だからこそ、他社の平均値ではなく、自社のリストを自分で数えることに意味があります。
よくある質問
営業リストは何件あればいいですか
件数ではなく、連絡先が取れている件数で考えるのが正確です。私たちの実測では、31,219件のうち連絡手段があるのは22,727件(72.8%)でした。「3万件必要」ではなく「送りたい回数ぶんの連絡先が必要」と考えると、必要な収集件数が計算できます。
購入リストと自分で集めるリスト、どちらがいいですか
私たちの手元は自動収集が97.9%で、購入リストは660件しかありません。自分たちで集める前提のデータなので、購入リストとの優劣は比較できません。 ただし、どちらの場合も評価のしかたは同じです。買ったリストも、届いた時点で「連絡先が何件埋まっているか」を数えてください。
メールアドレスとフォーム、どちらを集めるべきですか
今回の実測では、フォームURL(68.6%)のほうがメールアドレス(37.6%)より取れやすい結果でした。ただし、フォームは1件ごとの送信に時間がかかり、メールは一度に多く送れます。 取得率だけでは決められないため、送信にかかる工数と合わせて考える必要があります。
関連記事: フォーム営業の返信率は何%か|19,075件の送信データを公開します の記事
連絡先が取れなかった27.2%は、どうすればいいですか
自動収集で取れなかっただけなので、人が調べれば取れるものが含まれます。 私たちは消さずに残しています。一方で、8,492件を人力で1件ずつ調べる工数は小さくありません。優先順位を付けて、狙いたい会社だけを手で調べるのが現実的だと考えています。
リストを集めるツールは自分で作らないとだめですか
作れれば件数は増やせますが、必須ではありません。今回の97.9%という数字は、ツールを内製している会社の偏った比率です。ツールが無い場合は、購入か手作業になります。その場合でも、受け取ったリストの連絡先充足率を数えるという工程は同じように使えます。
営業リストの作り方を見直すなら、まず自社の数字を数える
ここまで出した数字は、すべて自社ツールの本番データから取ったものです。
大事なのは「27.2%」という数字そのものより、自社のリストで同じ数え方ができる状態になっているかだと考えています。 業種によって結果は変わるので、他社の数字は目安にしかなりません。
手元のリストを開いて、メールアドレスの列とフォームURLの列を数えてみてください。両方とも空の行が何件あるか。 それが、そのリストで届かない相手の数です。
私たちは、営業リストの収集から、フォーム営業・メール営業・LinkedInでのアプローチまでを代行しています。収集したリストの連絡先充足率も、今回のような形でお渡ししています。
「リストは買ったが、実際に何件送れるのか分からない」という状態であれば、一度ご相談ください。
関連記事: 広島の営業代行会社は何社ある?90社を実数えした比較ガイド
この記事を書いた人
丸山 祐介/株式会社hoshimi 代表
広島でBtoBの営業支援(LinkedIn運用代行・フォーム営業・アポ獲得代行)をしています。前職のマーケティング会社ではCOOとして、営業利益を1年で5,000万円から2億円にしました。
自社ツールを内製して毎日運用しており、この記事の数字はすべてその実データです。
この記事の作り方
下書きはAIが書き、数字と事実は人が元データに当たって確認しています。確認が取れなかった数字は載せていません。
広島から、実測データごと営業支援をしています
この記事の数字は、株式会社hoshimi(広島市中区)が自社の本番運用で実測したものです。同じ仕組み・同じ実測レポートつきで、貴社の営業も運用します。
